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ディズニーランドの混雑から見るポジショニングを探る重要性【ブランディング】

ディズニーランドの混雑から見るポジショニングを探る重要性

ディズニーランドの混雑から見るポジショニングを探る重要性について

※この記事には広告が含まれる場合があります。

ポジショニングとはどういう事を指すでしょうか?

ポジショニングとは、属している業界から見て企業や個人がどの位置に居るのかを理解することです。

例えばこのブログ『SEドロップアウトの私が一人前のwebマーケターになるまで』はどのポジションにいるでしょうか?

分析会社の運営するメディアサイトよりは専門性は尖っておらずカジュアルだけれども、エンタメやサブカル情報は他にはないものを取り扱っています。

ディズニーランドの混雑から見るポジションを探る重要性 本ブログ「SEドロップアウトの私が一人前のwebマーケターになるまで」を用いたポジション分析例

今後、もっとマーケティングを勉強して専門性を高めるのか、毎日トレンドになっているものをすぐ記事にしてエンタメ性を高めるかで、より多くのシェアを獲得できそうです。

 

話は変わって、先日X(旧Twitter)にて「日本て若い人の人口減ってるのに自分が小さい時の方が全然ディズニー空いてて、かつ今の方が値上がりしてるのにこの状態って何が起こってるの?レジャーも娯楽も昔よりあるなら分散してもおかしくないのに」という投稿がありました。

今日はこのディズニーランドにまつわる投稿から、ポジショニングを探る重要性について解説していきます。

 

目次

 

なぜ昔よりディズニーランドが混雑するようになっているのか

ディズニーランドが以前よりも混雑する要因としては以下の二つが考えられます。

  • 地方都市と首都圏の人口格差
  • ディズニーランドのブランド力が以前よりも大きくなっている

 

地方都市と首都圏の人口格差について

ディズニーランドがなぜ混雑するのかについて 1980年と2010年の人口比較(上位20位)

1980年と2010年の人口比較(上位20位)
数値は(千人)です。

東京ディズニーランドは1983年に誕生しました。

そこでまず1980年と2010年(古い数字ですいません)の人口比較をしてみましょう。

首都圏(黄色セル)は上位20位までに全ての都県が含まれていることがわかりますね。

そして東京都以外の各県はいずれもランクアップしていることが理解できます。

(北関東の県の北の方や、千葉の房総半島の先あたりから東京都市圏まで通勤するのはあまり現実的ではないかもしれませんが)東京を中心とした都市圏は、ここ40年ほどで人口が他地方都市と比べ増えていることは理解できるかと思います。

 

ディズニーランドがなぜ混雑するのかについて 1980年と2010年の人口比較(下位20位)

1980年と2010年の人口比較(下位20位)
数値は(千人)です。

逆に人口流出の激しかった県はどこか見てみようと思います。

黄色セルで表した県は1980年から2010年にかけて3位以上ランクダウンした県になります。

いずれも三大都市圏には含まれておらず、(こういう言い方は個人的に好きじゃないのですが)所謂「地方」として扱われる都市です。

こうした地方都市の人口流出は、私が挙げるまでも無く、周知の事実だと思います。

※またランキング上位の府県で大阪府兵庫県がランクダウンしているのは、京阪神の都市圏(大阪圏)が東京都市圏に流出しているという別の問題もあります。

こうした人口の流入・流出は避けられない問題であり、一企業がどうすることもできない外的要因でもあります。

地方都市で商売を始める際に、長期的に商売を続けたい場合はこのような人口流出問題は考慮しなければなりません。

 

ディズニーランドのブランド力が以前よりも大きくなっていることについて

東京ディズニーランドのブランド力が以前よりも大きくなっていることについて

こちらはディズニーランドのマーケティング戦略による結果であり、このブランドを確立するという考え方は人口流出問題以上にマーケターとして必要なマインドです。

ディズニーランドが現在のブランドを確立した要因として

  • 世界観の作り込みが徹底されており『夢の国』である事が感じられる
  • スタッフなどのサービス面が徹底されており質が高い

 

という事が挙げられると思います。

ディズニーランドにおける上記で挙げたものは顧客に与えることのできる「ベネフィット(顧客体験)」にあたる部分ですよね。

ディズニーランドが他の遊園地と一線を画す存在となったのには、このベネフィット(顧客体験)の追求を続けた結果、現在のディズニーランドとしてのブランド、遊園地業界でトップのポジションを確立したのでした。

 

ポジショニングを探る重要性について

既に閉園した遊園地や現在経営難に陥っている遊園地にとって、東京ディズニーランドUSJなど巨大資本を持ち、しっかりしたマーケティング戦略をとりブランドを確立した遊園地は脅威的な存在でした。

では現在も営業を続ける地方の遊園地と、既に閉園してしまった遊園地の差は一体何でしょうか?

一番の原因は、自社のポジショニングを正確に把握することができず、必要な部分に投資できなかったことにあります。

 

自社のポジショニングを正確に把握しなければならない背景について

自社のポジショニングを正しく理解しないといけない背景について

自社のポジショニング把握の重要性なのは、遊園地だけでなく、現在の日本における販売・サービスの提供全般が、「売り手市場」から「買い手市場」に移行している(供給が需要を大きく上回っている状態)からです。

これはインターネットの普及と共に、ユーザーが簡単に比較検討できるようになった事が大きな要因です。

特にスマートフォンの普及以降、子供でもお年寄りでも比較的簡単に金額やサービスの比較ができるようになりました。

例えば、「テレビが欲しい」となった時、家電量販店に行けば現物を見る事ができますが、そこでスマホを取り出しブラウザから型番を入れれば簡単に値段の比較ができてしまいます。

大量生産や大量仕入を行ない、価格を下げることのできる大手の家電量販店ではAmazonや価格コムに対抗することはできるかもしれませんが、町の家電屋さんでは太刀打ちできません。

インターネットの発達していなかった時代には、このような小さな事業者でも地域の需要を満たせていましたが、現代においてAmazonや価格コム、中国の安価なECサイトとの競争に勝つのはかなり難しくなってきています。

遊園地、町の古くから存在する薬局、駅前やロードサイドに店を構える百貨店はこのような競争に負けてしまった結果、閉園・大量閉店に追い込まれています。

大量生産・大量仕入ができず、価格によって他社と差別化できないとなると、商品・サービスで差別化を図る以外に道はありません。

 

ポジショニングを正確に把握し成功した実例

上記にてポジショニングを正確に把握することの重要性を解説しました。

ここではその成功例や失敗例について解説していきます。

 

ポジショニングを把握し成功した実例

富士急ハイランド

ポジショニングを把握し成功したマーケティング実例 富士急ハイランド

引用:『富士急ハイランド

遊園地のマーケティング戦略から一つ、富士急ハイランドは、富士山の麓に路線を持つ富士急行の運営する遊園地になります。

富士急ハイランドは、4つの世界記録(高さ79m、最高時速130km、巻き上げの長さ71.5m、最大落差70m)を持つジェットコースター「FUJIYAMA」をはじめ、最大落下角度121度のジェットコースター「高飛車」、総回転数世界一のジェットコースター「ええじゃないか」等、絶叫系アトラクションに非常に力を入れています。

ジェットコースターだけではなく、史上最長&最恐のホラーハウス「戦慄迷宮」といった体験型アトラクションでも人気を博しています。

従来の遊園地のように「遊園地はファミリーで楽しむもの」といった固定観念を覆し、東京ディズニーランドUSJとは異なる層、絶叫が大好きなコアな若者を取り込むことに成功しました。

コロナ渦で世間が自粛ムードの中、絶叫アトラクションの前面展望を動画にして公開したのも話題となりました。

外に出られないからこそ家で楽しんで富士急ハイランドの魅力を感じてもらい、そして自粛が解かれたときに来場に繋げられる素晴らしいマーケティング戦略だったと思います。

youtu.be

また富士急ハイランドには絶叫系アトラクションだけではなく、富士山の麓の広大な土地を観光資源と捉えており、訪日外国人を取り込みたいという考えがあります。

富士急ハイランドの敷地だけではなく富士山一体をアミューズメントシティにしたいという壮大な計画を持っています。

 

金のつぶ におわなっとう(ミツカン)

ポジショニングを把握し成功したマーケティング実例 金のつぶ におわなっとう ミツカン

引用:『におわなっとう(ミツカン)』

(最近世間を騒がせているミツカンではありますが・・・)

2000年に発売開始した「金のつぶ におわなっとう」のヒットには綿密なデータに基づくポジショニング分析と販売戦略がありました。

当時、納豆という分野において業界ナンバーワンは「おかめ納豆(タカノフーズ)」でありシェアは40%と他社を大きくリードしていました。(ミツカンのブランド「金のつぶ」はシェア13%でした。)

そこでミツカンは多くのアンケートを行ない「納豆を食べると職場などでにおいが気になる」といった声が多いことに気付きます。

ミツカンは老舗「酢」醸造メーカーであるため菌や発酵についての技術力は長けていますが、納豆業界には1997年に参入した所謂新参者でした。

そこでこの発酵の技術を活かし、においが抑えられた納豆菌を発見、2000年に金のつぶブランドからにおいを抑えた「金のつぶ におわなっとう」を発売します。

発売した当初は「納豆は好きだけど、においが気になる」といった納豆好きをターゲットにしていましたが、納豆のにおいが苦手で納豆を嫌っていた人達からも支持を集めヒット商品となりました。(現在のシェアは約20%となっており一定のシェア拡大に繋がりました)

 

アサヒ スーパードライ

ポジショニングを把握し成功したマーケティング実例 アサヒ スーパードライ アサヒビール

引用:『アサヒ スーパードライ

ビールでトップシェアを誇る「アサヒ スーパードライ」。

CMのフレーズと銀色の缶に大きく「Asahi」と印字されているのはお馴染みですよね。

今ではビールと言えば第一に「スーパードライ」が連想されるブランドになりましたが、1985年にアサヒビールのシェアが10%だったのはご存じですか?

当時のトップシェアは「キリン ラガー」でした。

今では一番搾りの影に隠れる存在のラガーですが、1987年当時のシェアは46%、メーカー別占有率ではキリンビールが57%を占めていました。

アサヒビールは落ち込んでいた売上の原因を探るために東京と大阪それぞれ5,000人を対象に対面調査を行ないました。

従来のトップシェアであったキリン ラガーは「どっしり重め、深い苦み」が特徴であり、それが日本のビールにおける定番でもありました。

アサヒビールは一般消費者がビールを「イメージで飲んでいる」と想定していたのですが、実際には「コクといった味わい、キレというのどごしの爽快感、美味しさの基準は苦み、をそれぞれ求めている」というアサヒビールの想定を覆す結果が得られました。

そこで「コクとキレを併せ持つ新しいビール」を開発したのがアサヒ スーパードライという訳です。

発売当時1987年には3.2%だったスーパードライのシェアでしたが、瞬く間にシェアを拡大し2年後の1989年には22%までシェアを伸ばしました。

その後もシェアを拡大し続け1997年にはついにキリン ラガーを逆転、トップシェアに躍り出たのです。

 

ポジショニングを把握し成功した実例まとめ

ポジショニングを把握し成功した実例を3つ挙げました。

いずれも大きな業界シェアトップがあり、そこに対して自社の現在のポジションを調査しシェア拡大や新たなポジションの確立を図るというものでした。

ポジショニングというのは顧客から見た客観的ポジションです。

ですが世の中には自社のポジションを見誤り失敗した企業もあります。

 

ポジショニングを把握できず失敗した実例

東京チカラめし(SANKO MARKETING FOODS)

ポジショニングを把握できず失敗したマーケティング実例 東京チカラめし

引用:『東京チカラめし(SANKO MARKETING FOODS)』

東京チカラめしは「焼き牛丼」の提供をメインに行なう牛丼チェーン店です。

2011年に池袋に第1号店をオープン、翌年2012年には100店舗を超す当時急成長していた飲食チェーン店でした。

2013年に放送されたテレビ「がっちりマンデー!!」にて(株)三光マーケティングフーズ(当時) 代表取締役社長 平林実さんが「肉は焼いた方が美味いに決まっている」という内容を語られていたと記憶しています。

実際の現場では急拡大した店舗スタッフの教育が行き届かず、焼くという味を左右する工程に支障をきたしてしまったり、肉を焼くのに時間がかかり回転率が悪くなる等、サービスの低下を招きました。

他にも普通の牛丼に比べ、焼き牛丼の味が早くあきられてしまったり、他牛丼チェーン店が焼き牛丼に参入したりなど様々なことが重なったと考えられますが、結果顧客離れを招きました。

そして「東京」の冠を掲げているにも関わらず、東日本からは撤退。

残る店舗は大阪日本橋にある1店舗のみとなりました。

これは自社のポジショニングの見誤り、そしてサービス・品質の低下と重なり、ブランドの確立から正反対に進んでしまった悪い例だと言えます。

 

ディズニーランドの混雑から見るポジショニングを探る重要性のまとめ

東京ディズニーランドの混雑から見るポジショニングを探る重要性についてまとめ

東京ディズニーランドが昔よりも混雑するようになった要因としては以下の2つを挙げました。

  • 地方都市と首都圏の人口格差
  • ディズニーランドのブランド力が以前よりも大きくなっている

 

人口の首都圏集中については首都圏外でビジネスを始める方には必ず壁になってくる部分であり心得ておかないといけない部分です。

そしてブランド力が以前よりも増していることについては、自社のポジショニングを正しく理解し、どのようにシェアを拡大していくのか筋道を立ててマーケティング戦略に落とし込んでいく必要があると解説しました。

また自社のポジショニングを正しく理解し成功に繋げてきた手法については実例を踏まえて解説しました。

業界トップシェアのブランドは知名度が高く、また広告への費用投下を惜しまない事がほとんどです。

業界の2番手であれば、1番手のシェアを奪うようなマーケティング戦略が必要になりそれなりに費用投下は必要ですが、業界の下位である企業ならば費用を投下できない事も多いです。

業界トップのポジションと違ったベネフィット(顧客価値)を提供し、他社と差別化して自社のポジションを確立していく事が生き残っていくために必要な事です。

 

ディズニーランドの「混雑」というのはユーザー視点で考えるとストレスでありマイナス作用もあるのですが、この混雑は企業努力の結果確立されたポジションなんだという事を、列に並んでいるときにチラッと感じてもらえればなと思いました。

 

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